石鹸つくりに必要な基本材料 その3 苛性カリ
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苛性カリは苛性ソーダよりも実験などで使うことが少ないので、それほどなじみのない薬品かもしれません。中学校や小学校の理科では出てくることは少ないはずです。苛性ソーダと同様に、普段は水酸化カリウムと呼んでいます。化学式はKOH。苛性ソーダと同じように劇薬扱い。水分も吸いやすいし、強いアルカリ性を示す薬品です。
苛性カリを油と混ぜると苛性ソーダと同じように鹸化という化学変化を起こします。石鹸ができる時の化学変化では苛性ソーダや苛性カリの中にあるナトリウムやカリウムと油の中にある脂肪酸の部分が反応して石けん成分を作ります。この成分にナトリウムが含まれているか、カリウムが含まれているかの違いが使う薬品の違いになります。
泡が立つとか、汚れを落とすといった性質は全く同じなのですが、ナトリウムの石けんとカリウムの石けんではやはり細かいところでは性質が若干異なります。 特に、脂肪酸とカリウムが反応してできた石鹸成分はナトリウムが反応してできたものより水に溶けやすい性質があります。そこで、カリウムの石けんは水に溶かして作る液体石けんやクリーム状の石けんに使われることが多いのです。
確かに苛性ソーダで作った石鹸を水に溶かしても液体状の石鹸ができるかも知れませんが、どろどろになって、使い心地は良くありません。さらに、水分が飛んでしまえば、使い勝手の悪い石けんになってしまいます。そのため、苛性ソーダは主に固形石鹸を作る時に使われることが多いです。
ということで、石鹸の形状を考え、苛性ソーダで石鹸を作るか、苛性カリを使って石鹸を作るかを考えます。中にはミックスして作られる方もいらっしゃるよう。私はこれから、その検証も少しずつやってみたいと思っています。
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Date: 2017/07/29(土)
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